絵と本

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戦争に勝ちも負けもない
花咲く丘


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戦争に勝ちも負けもない。
あるのは滅びだけである。
人間は戦争するために生まれたのではなかった。

永井 隆

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コーネルの箱
コーネルの箱

「箱の芸術家」ジョゼフ・コーネル
の作品に詩を付けたのは、詩集「世界は終わらない」で
ピューリッツァ賞(1990)を受賞したチャールズ・シミック。


コーネルの箱の世界をWEB上で体験できる
インタラクティブなコンテンツを
ボストンの「ピーボディー・エセックス博物館
のWEBで公開している。
PEM|Joseph Cornell Interactive

Joseph Cornell 展


Joseph Cornell_s

ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎「箱宇宙を讃えて」

川村記念美術館が所蔵するコーネル作品16点の図版に加え、
高橋睦郎の詩「この世あるいは箱の人」と
新作詩16篇、コーネル小論を収録した書籍。

本文は、フランス綴じされた袋状の頁を
水牛の角でできたペーパナイフで
1頁づつカットしていくあしらいになっている。

Joseph Cornell 2

同展の図録として制作された。
活版印刷で刷られたテキストは、エッジはにじみ
頼りなげだが逆にペンなどで書く筆圧を感じる。
「活版印刷」どうしてこんなに気持ちを引きつけるのだろう。
紙の風合いと、印刷された面の質感が良いからなのだが
その「良い」は、何なのだろう。
オフセットで、コート系の紙(塗工紙)に印刷されたものよりも
明らかに再現性は劣るのに、「良い」と思うのは、
凸版や、活版印刷がもつ背景に由来するのだと思う。
そういえば、「木版」にも同じ感覚をおぼえるのは、
プリミティブな風合いと印刷した面のでこぼこという
手触りが残るからだろう。
漉いた紙のような手触りのある紙に施されたこの印刷には、
消費してすぐに無くなってしまう感覚がなく
物質としての存在感を維持しているから
「良い」のだろうなぁ。

Joseph Cornell 4
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様々な『不思議の国のアリス』
Tove Jansson_Alice

トーベ・ヤンソン(Tove Jansson)といえば、『ムーミン』。
ヤンソンは、スウェーデン生まれのフィンランド人。
彼女は、フィンランド語版の『不思議の国のアリス』(1966年)
のために挿絵を描き下ろしている。本国ではすでに絶版。
ジョン・テニエル(Jhon Tenniel/イギリス)の挿絵を
見慣れている人たちには、違和感があると思う。
登場するキャラクターは、ヤンソンのイラスト独特の憂えげで、
どことなくさびしさが漂う雰囲気があり、この絵の世界が、
『不思議の国のアリス』だとイメージしている人たちも多くいたのだと思う。
日本では、ムーミンの声といったら、岸田今日子さんを思い浮かべるように
フィンランドでは、「アリス」といえば、トーベ・ヤンソンだったのかも知れない。
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ALICE'S ADVENTURES UNDER GROUND
AliceAdventureUnderGround

『アリスの地下冒険』。
この本は、1863年に、ルイス・キャロル(Lewis Carroll)、
本名、チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン (Charles Lutwidge Dodgson)が、
自らテキストを自筆し挿絵も描いた原書の復刻版である。
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ALiCE IN WONDERLaND
paperback_alice im wonderland
PUFFIN BOOKS / Published by Penguin Groups

映画「ALICE IN WONDERLAND」を見た。
正確にいえば、ティム・バートンとジョニー・デップ版の
「ALICE IN WONDERLAND」を見た。
『不思議の国のアリス』は、実写からアニメまで多数映像化されている。
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タマラ・ド・レンピッカ
tamara

はじめて、作品に触れたのは、1980年。
PARCOのポスターと、同時期に発売された作品集だった。
『肖像神話 迷宮の画家タマラ・ド・ レンピッカ』
(PARCO出版/構成・デザイン・インタビュー:石岡瑛子)
は、370mm×245mmという大判だ。

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© 2010 Tamara Art Heritage Licensed by MMI
Photo A. Blondel / D’Ora


「タマラ・ド・レンピッカ(Tamara de Lempicka)」
当時、耳慣れない作家の名前と、画風に圧倒された。
キュビズム、マニエリスムの影響、あるいは、
アールデコを代表する画家などと表されている。
しかし、グラフィック・デ ザイナーを志していた自分には、
その画風といい、ドイツのファッション雑誌『ディー・ダーメ』に
依頼されて描いた表紙の絵とそのプロセスから、
ファッション・イラストレーションのように感じられ
大いに刺激を受けた。

肖像画を中心とした作品は、画面からはみ出しそうな
大胆な構図でトリミングされ、身体の描かれ方は
極端にデフォルメされている。

1980年の『肖像神話』は、
判径も大きく重い作品集だが、内容・構成も重い。
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◎"自動車時代の女神タマラ・ド・レンピッカ " ジェルマン・バザン
◎"鋼鉄の瞳をもつ女タマラ・ド・レンピッカ " 石岡瑛子
◎タマラ・ド・レンピッカの仕事 1920年から1960年まで
◎対談"タマラ・ド・レンピッカの光と影" 五木寛之×石岡瑛子
◎"肖像神話タマラ・ド・レンピッカとの五日間"
石岡瑛子
◎タマラ・ド・レンピッカ作品目録と評論

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石岡瑛子さんと五木寛之さんの当時の対談で、
タマラの作品は、彼女の絵に関心が無い人でも
彼女の芸術的生涯、イミグラント的に世界をさまよってきたところは
これからの表現者の生き方を考えさせられる
と語っていたことが21世紀の初頭の表現のあり方を
象徴しているようであり、予言的でもあったのが印象に残る。

そのオリジナル作品に触れるのは、30年ぶり。
■本能に生きた伝説の画家「レンピッカ展」
来場者の年齢層は、幅が広くやや女性が多いようだった。
画集では、見られない作家の筆圧を見られることは
勉強になるからうれしい。

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ペンギンブックスのデザイン 1935-2005〈2〉
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マーシャル・マクルーハンの有名な、
『メディアは、マッサージである(The Medium is the Massage)』
もペンギンブックスから出ている。
(1967年発刊)
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空豆
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「そらまめ」は、
西南アジアから北アフリカ地方が、原産なのだそうだ。
日本まで、長旅をしてやって来た作物のひとつか。
塩茹でして、あるいは、さやごとただ焼いて食べるのが好きだ。

ローマでは、5月頃に、「ファーベ(fave)」という
生食用の「そらまめ」を収穫の季節に、
ペコリーノ・ロマーノとワインで楽しむ習慣がある。
新鮮な「ファーベ」は、賞味期限が2-3日のため、
収穫したその時に、そこにいなければほぼ食べられない
ということだ。贅沢な食材である。
茹でた「そらまめ」と日本酒もいいけど、
ペコリーノとファーベとワインも、かなりいい。
ペンギンブックスのデザイン 1935-2005〈1〉
Penguin by design_1

「ペンギンブックス」の装幀といえば、
表紙の3色ストライプのデザインとペンギンのマークで有名。
1935年に設立された当時は、グラフィックデザイナーと
印刷屋さんの役割分担が、まだまだ曖昧だった時代。
そのような時代に、トレードマークとも言える水平に3分割された
装幀デザインは、今でも古びず、むしろ新鮮だ。
しかし、70年以上、数千冊のペーパーバックを
刊行し続けるその装幀には、様々なデザイナ−と
画家、イラストレーターが携わって来たことは
あまり知られていない。
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