絵と本

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有名人のポートレイトにも勝る "Small Trades"

small trades
                     IRVIN PENN
                   SMALL TRADES


アービング・ペンは、膨大な数の著名人のポートレイトを撮影しています。
しかし、本書は、彼のキャリア初期の"Small Trades"
「小さな商売人たち」とでも言うのでしょうか。
街で働く「労働者たち」の写真を1冊にまとめた写真集。
「街で働く人々」と簡単に言い表せない魅力的なポートレイト集めた一冊。
写真集にまとめられた数だけでも210。
おそらくいろいろな人間模様を抱えていた「Small Trades」たちは
みんなプライド高げに、カメラの前に寡黙に立って被写体となっています。
そうさせたのもアービングペンの写真家としての「技術」のひとつ
だったように感じます。

ペンキ職人、ウェイター、石炭労働者、ダンス教師、雑役婦、
消防士、お針子、彫刻モデルなど、様々な仕事着と道具とともに、
シンプルな背景と自然光で撮影されています。
これだけの人々を撮り続けた写真は、
肖像写真としてのクオリティの高さを語ると同時に、
彼の文化人類学者のような眼差しを持って
人々を見続けたようにも思えます。
国が変われば、同じペンキ屋さんのスタイルも変わります。
俳優、作家などの著名人は、ひと目見れば「誰」だとわかるけど、
「Small Trades」にとっては、機能的な仕事着も含めた容姿だけが存在の証明。
考えてみれば、アービングペンにとっては、
労働者の姿も、著名人の顔も「ファッション」の
一部にすぎなかったのかもしれません。

Paris, House Painter (1950)
small trades 3

London, Hpuse Painter (1950)
small trades 1

Paris, Waiter (1950)
small trades waiter
(この人は、Les Deux MagotsのGarçonらしい)
 

small trades 表4
Irving Penn's Studio in Paris, Setember 12,1950.

何十年にもわたりプラチナプリントで撮影をしていた。
自然光を好み、スタジオのスラントの光線で撮影していたことを
知らしめてくれるこの写真集の表4は、とても興味深いです。

坂本龍馬の有名な立像写真も、
上野彦馬の
スラントのある写真室で撮影されたことを思うと
自然光の豊かさと、強さをしみじみ感じます。
 

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